Dragon Fang
またこの前みたいに、
『俺は良壱じゃないから良壱に聞けば良いよ。』
って言われる可能性もあるけど。
「有り得ないよ。那瑠にベタ惚れだし。」
返ってきたのは、嘘とも言い難い声色。
「この前。ちゃんと、家に帰って来たんじゃないの?」
「この前?」
「あの…雨が降ってた日。」
帰ってきたって。
帰るって言ってたし…。
チンプンカンプンなあたしは、頭を抱える。
「多分、那瑠が思ってるような事はやってないと思うよ。」
一応納得して、頷いておいた。