Dragon Fang
あたしは驚いて、目を見開いたままキョトンと見ていた。
その様子にタキは少し笑って、こっちに寄る。
「ナルちゃん、今暇な感じ?」
視線を合わせるようにあたしと同じくらいまで屈む。
可愛い笑顔は、子犬のようで…夏弥とはまた違った意味で可愛かった。
「暇な…感じ。」
いつもは言わない。
良壱に誤解されたくないから。
でも、今回は良いかなと思った。
タキは友人。
良壱は、あたしが夏弥と一緒にいても怒らないのだから。
だから、同じだと思う。
「じゃあさ、どっか飲みに行こ?」
返事をする前に、タキはあたしの腕を引っ張った。