Dragon Fang
テリトリー
何故か“龍の牙”や“虎の爪”の内部の情報に詳しくて。
良壱が外を出歩き回って忙しくしてるのを知っていて。
…それでも。
タキはニコニコと甘い笑顔を浮かべたまま、
「そっかぁ…残念。」
そう言う。
きっと周りにいるのも、“群青の星”の人間。
さっきは、目が合ったんじゃなくて…見られている。
このカフェも、“群青の星”の溜まり場か何かだと思う。
クルクルと頭が回転してあたしの脳内は働いた。
もう少し、警戒心を強めるべきだった。
良壱がいないから、構ってくれないからって、優しさをくれるタキにすり寄った事を。
あたしは溜め息を吐く。