Dragon Fang
今すぐ、この大人数に襲われても可笑しくない状況。
…馬鹿馬鹿しい。
本当に警戒心が無さ過ぎる自分に腹が立って、他人事のように『お前なんて、襲われてしまえ』と少し思った。
でも、現実に戻る。
構えた。
ざっと15人。
強行突破かなんかで、いけない訳じゃないと思うから。
「あはは。ナルちゃんを襲うつもりないよ。」
「信用出来ない。」
「今更、警戒心強めたって…まぁ信じても信じなくても良いけど、襲わないから暴れないでね。」
タキは煙草をくわえて、火をつけた。
その姿を見て、良壱を思い出す。