Dragon Fang
「引退暴走、断ったんだって?」
真っ黒な特攻服を脱いだ夏弥は、向かいのソファーに座る。
「引退ってゆーか、あたしは“恐界連合”のトップの女。良壱は“恐界連合”のトップ。
それから下りるだけだから、あんま変わらないでしょう?」
…そう。
正直そういう所は細かくて、いちいち暴走なんてやっていられない。
「“恐界連合”のトップおめでとう。」
あたしは微笑んだ。
煙草のケースから煙草を出す夏弥も少し照れたように微笑んでいる。
「ありがと。」
口の中でキャンディーを転がす。
良壱は黙っていた。