Dragon Fang
最愛
あれから学校でタキを見なくなった。
「今日、集まりある。」
今日は珍しくあたしを含め三人が集まっていると思ったら、そういうことか。
夏弥は窓枠に寄りかかりながら、舟を漕いでいる。
携帯がさっきから鳴っているみたいだけど、気付いてないのか気付いてないフリしてんのか。
良壱や夏弥にタキの事は言ってない。
だって、あたしは傍観者でしかないから。
どっちかに加担するのはずるいと思う。
「今日、集まり。」
あたしが何の反応もしないからか、良壱は繰り返した。
「…ふうん?」
「お前も来るか?」
「行く。」