Dragon Fang
一瞬、困惑の色を目に浮かべたものの、タキは立ち上がる。
パンパンと手を払って、あたしを見た。
「…人じゃないみたいって言いたい?」
聞いてみると、図星のようで曖昧な笑みを浮かべた。
「女の子一人に、この場を任せるなんて。俺も男が廃ったなぁと思っただけだよ。」
「女の子なんて思ってくれてどうもありがとう。ですから、早くここから消えて下さい。」
棒読みで、半ば強引にタキの肩を押した。
「…ありがとね。」
タキは少し振り向き、そう言うと駆け出す。
それが合図のように。
周りを囲む男達は、あたしに襲いかかった。