Dragon Fang
腹黒兄妹
倒れている男達の間を抜けて、あたしは表道に出る。
疲れてしゃがみこんでいたら、車の音が聞こえてきた。
顔を上げる。
「…ったく折角の週末を。」
溜め息を吐きながら、車から下りてあたしに近づいた。
「…遅い。」
「俺は情報屋でなけりゃお前の運転手でもねぇよ。よーく心に刻んどけ。」
羽瑠はまた溜め息を吐いた。
あたしは立ち上がると、羽瑠は身を翻して車の方へ行く。
それに着いていき、車の助手席に乗り込んだ。
「んで。那瑠お嬢様、良壱クンのお家にでも帰りますか?」
馬鹿にされてるように聞こえる。