傷跡~貴方のために~
第一章
...過去
あれは中二の梅雨の時期。
私は養子として引き取られた。
7歳から施設に居て、やっと幸せな家庭。
……なんてね。
現実はそうではない。
私は完全に心を閉ざしていた為、口も利かない。
「凛ちゃん、よろしくね」そう笑顔で言われても…。
「…」無言で頭を下げただけ。 それからこんな私に嫌気がさしたのか。
「あなたを救ったのは誰?」
救ってほしいなんていつ言った。
学校で問題を起こせば。
「謝りなさい」
私はやってないのに…。
理由も聞かず、ただこう言ったんだ。
イライラしてれば。
「存在がムカツクのよ!!」と言われて殴られた。
義父も何も言わず、私に当たった。
今はただ学校が終わり、家に戻って・・・ずっと部屋にこもりっぱなし。
義父は大阪に単身赴任中で居ない…
すると突然、
「コンコン、凛?」
うざいからいつものように、無視。
何回もノックする。
「はい」とドア越しに返事をした。
「ちょっと来て」そう言うと階段を降りる足音。
私はため息をつき義母を追うように、リビングへ向かった。
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