オタメン彼の冒険とツンデレ彼女の家出~アキバ特捜部!?Episode5~

「ケッ。
 家にカネはなくなるは、シュミみたいなソバ屋は手間ばっかかかって、儲からないわで、サイアクだよ。
 くだらない正義感で、自分は犠牲になったような顔して、メイワクなのは家族だぜ。
 ウラガネで贅沢させるくらいの甲斐性があってもいいのによ」

ミキがはき捨てるように言う。

「そんな……」

ナツが悲しそうな顔をする。

「オレはあっち側の人間になりたかったのさ。
 汗水たらして働く人を尻目に笑ってるような……」

「それでスリとかしてたのか」

「まぁ、それもあるかもな。
 でもナツに会って、家を失ったワケじゃないし、ナツほど大変じゃなかたって思ったよ。
 苦労したような気になってたのは自分でも笑えるくらいだ」

ミキは自嘲ぎみに歪んだ顔で笑う。
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