追憶のマリア
二人は孤児だった。
親に捨てられ、施設で寄り添うように育った。
だから京子にとって兄は、身体の一部…京子の身体のもう半分と言っても過言ではなかった。
京子は俺の傍にいることで、俺の無事を傍で感じることで、兄の無事を確信していたのかもしれない…
その為に俺の傍にいただけかもしれない。
だから、京子が俺のプロポーズをあっさりOKしたのには、正直驚いた。
あまりにあっけなくて、嬉しさも感動も半減だった。
俺の方は心底惚れてたが、京子の気持ちの方はさっぱり分からなかった。
捜査対象の嘘は簡単に見破ることができるが、女心は全く不得意な分野だった。
よくそのせいで京子を怒らせた。
『もう!駿はほんっと女心がわかんないんだから!』
京子の口癖だった。
兄の無事を、俺をとおして信じている京子。
たとえその為だけに、俺と一緒になるんだとしても構わない。
俺がずっと傍にいてやる。
お前の兄が帰って来るまでずっと…
だから尚更、俺は不死身でいなきゃならなかったんだ。
親に捨てられ、施設で寄り添うように育った。
だから京子にとって兄は、身体の一部…京子の身体のもう半分と言っても過言ではなかった。
京子は俺の傍にいることで、俺の無事を傍で感じることで、兄の無事を確信していたのかもしれない…
その為に俺の傍にいただけかもしれない。
だから、京子が俺のプロポーズをあっさりOKしたのには、正直驚いた。
あまりにあっけなくて、嬉しさも感動も半減だった。
俺の方は心底惚れてたが、京子の気持ちの方はさっぱり分からなかった。
捜査対象の嘘は簡単に見破ることができるが、女心は全く不得意な分野だった。
よくそのせいで京子を怒らせた。
『もう!駿はほんっと女心がわかんないんだから!』
京子の口癖だった。
兄の無事を、俺をとおして信じている京子。
たとえその為だけに、俺と一緒になるんだとしても構わない。
俺がずっと傍にいてやる。
お前の兄が帰って来るまでずっと…
だから尚更、俺は不死身でいなきゃならなかったんだ。