魔女っ娘アン魔は師匠の弟子
「まぁな。

でもなぁ…ありゃあ個人的にはあんまりお勧めは出来んぞ?

特に女には」



「え…ど、どういう事ですか?」



「あぁ、あれなぁ…

体中から炎出すもんだからさ、

魔法唱えたと同時に、
着てる服が全部燃えちまうんだよ」



「ええ〜っ!?

そ、それじゃ…すっぽんぽんになっちゃう、って事ですかっ!?」



「そういう事だ。

まぁ一応は、レッド・ドレス、つまり赤い服を着てるとかいう小洒落た表現を用いて濁したりもされてるんだけどな。

だがそんなもんは一部の魔法使いが勝手に唄ってるだけのただの建前だ。


端からみりゃ、どう見てもただの変態だよ」



「えぇ〜そんなぁ〜…」



「まぁ、それでもお前にとっちゃ幼い頃に思い描いた夢の魔法だ。

どうしてもと言うなら
特別にレッドドレス習得を目的とした火炎系の修業カリキュラムに切り換えてやらんでもないが」



「いえ…やっぱいいです…」



「賢明だな。

ありゃあ言ってしまえば
「セクハラ魔法」

今時あんなもん使うのは痴漢位のもんだから」



「はぁ…そうなんですか…」


幼い頃から思い描いていた夢がはかなく散り去り、
アン魔はガックリと肩を落とす。



「まぁ気持ちはわからんでもないが、そう落胆するな。
また次の夢を見つけりゃいいだけの話しだ。

なぁに心配すんな、
お前はまだ若い

夢なんてもんはそのうち嫌でも向こうから寄って来やがるさ」



「はぁ…」



師匠は俯き加減のアン魔の頭を軽くポン、と叩くと、背中を丸めながら掘っ建て小屋の中へと戻って行く。


バタンっ…



焚火の前にちょこんと座ったまま、寂しそうな様子で一人ぽつんと佇むアン魔。


「セクハラ魔法かぁ…」



あんまりだよなぁ、こんなのって…


じゃ絵本ではあの場面だけ美化してたって事なのかぁ


まぁ主人公13歳の女の子だったし、しょうがないのかな

やっぱ年頃の娘がすっぽんぽんてワケには行かないしね


ヘタしたら児童ポルノ法の規制に引っ掛かりかねないし…
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