あのね…
あなたを幸せにできるひと
「ねぇ
竜~っ早く綾と付き合いなよっ」
「ん~…別に悪い関係じゃないと思うんだけど、告白するほど好きなのかわからないしなぁ」
いつもの夜
わたし、柚菜は毎晩のように竜に電話をする
最初に電話をしたのは部活の急用があったから
それ以来なんだか意気投合して、毎晩のように電話をしている
竜は冷静で大人で優しくて、素直で
わたしは彼が大すきなの
「だからぁ、早く付き合ってくれた方がわたしは楽なんだって」
わたしは1週間前に彼に振られている
「柚菜のことは、そういう好きじゃない。だから付き合えない」
好きなひとがいるのかって聞いたら、気になってるひとがいるって言ってたから、わたしは竜がその人――綾と上手くいくように願うことにした
どんなことをしてでも、竜の『1番近くの友達』でいたかった