君*世界*恋心
おぼんに二つコップをのせて部屋に向かう。
足どりがひどく重い。
部屋のドアをあけるのに、かなり勇気を出した。
「ごめん、おそくなって・・・」
声のふるえを抑えるのに必死だった。
「いいよ、別に。ありがと。」
「いやいや・・・」
空気が上手く吸えない。
心臓がものすごい音をたてて、すごい速さで動いてる。
この沈黙の中で、杏の心臓の音だけが聞こえてる気がした。
なんか、言わなきゃ。
でまなにを?
知らないよっ。
おいおい、なんだよ。
なんだよ、じゃなくて・・・。
がんばれよ、杏!
なんか言えー!!