文章のおべんきょう
プロローグ

それはーー
<異形>であった。

異相、と言っても、とうていそのものの
異様さを言いあらわしてはいない。奇相、
と言っても足りぬ。

それは、異形ーーとしか、言いようが
なかった。だが、そこことばもまた、
それが見るものにひきおこす衝撃と畏怖
を十二分に伝えているとはとうてい言え
なかった。


・・ということで、どうでしょう? 
この文から、文庫本100冊超えの物語
が始まっているのですが・・

僕が今パッと思ったのは、初めの一文、
「それはーー<異形>であった」は、
「--でもったいぶってワンテンポ溜め
 てるのかな」ということ。

(ちなみに、ーーは本当は中で途切れて
 なくて繋がったひとつの線です。
 このパソコンで長い線の出し方が分か
 らないので汗)

その後も、読点(、)が多い気がする
など、「テンポを抑えているのかな」と
思えました。

虚空から何かがゆっくり立ち現れてくる
ように、「始まるぞ~、これから始まる
ぞ~」と言っているかのようです。
ふと連想したのは桃太郎で、あれは

「むかしむかし、あるところに」で始ま
りますよね? これは
「むかし、あるところに」よりも
「むかしむかし、あるところに」と二回
言った方が雰囲気出ると思うのですが、

これもやっぱり「もったいぶってワン
テンポ増やしてるのかな?」と思えま
せん?

「これから始まるぞ~」って気が、より
するような気がするのですが・・
(気のせい?)

以前にある本では「出だしをいきなり
戦闘シーンや逃走シーンで始めるなど
「疾走感」を与える方が、読者を小説
世界に引き込みやすい」と読んだ覚えが
ありますが、

グインサーガのような大長編では、
むしろ「スローテンポで始まった方が
雄大さや重厚さがでる」ということなの
でしょうか?

そう思うと、異形だの異相だの奇相だの
と、ど~でもよさそうな言い方の違いを
しょっぱなからウニャウニャ言うあたり
も、「テンポを抑えるため」であるよう
な気がしてきました。






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