Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
「華永がお祝いしてくれたら
お兄ちゃんそれで充分だよ。」
「えー?そうなのー?あっ!ねぇっ!
いいもの見たいー?」
「見たい見たい。なに?」
「じゃあ座って待ってて!?」
言われた通りリビングの
いつもの席につく。
部屋の壁や天井には飾り付けがされ
リビングのいつものテーブルには
凝った料理が所狭しと置かれている。
イベント事が大好きなうちの家庭は
17歳にもなったというのに
まるですごい祝い事のように
大袈裟にこういうことをする。
とか言いながら嬉しいんだけどね。
「幸永が去年あんなだったから
華永気ぃつかってんのよ?きっと。
見てよこれ。クリスマスかと思っちゃう。
ほんっとに大変だったんだから。」
呆れたような笑ってるような
顔で母さんに言われた。
まあ確かに去年は……ね。
ちょっといろいろあったから。
そんなことを考えながら
座って待っていると
華永が両手で慎重に
あるものを持ってきた。
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