Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
「………別に。」
あーあ…。
また同じセリフ。
すぐに何か言ってくるかと思ったのに
陽詩は口を開くそぶりすら見せない。
それどころか横目に映るのは
あくびをしている姿。
「…っていうかさ、何その質問。
もし好きだとしても俺の好きと
陽詩の好きは違うから大丈夫だよ。」
もしかしたら陽詩は
自分の彼女のことを俺が
無意識に見てることに気付いてて…
それが嫌なのかも。
そう思ったから。
「ふっ…。」
陽詩を見ると
口角は上がっているのにその目は…
笑ったっていうよりも
何かを哀れむような……
「何いい奴ぶってんの?」
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