Triangle‐狼達とうさぎの関係‐



「あ、ありがとうございましたっ!
失礼しますっ!!」


え!?



「待って!」


絶対誤解してるから!


そう言おうとしたのに



「い、いいんですっ!
よくわかりました!
それに…、誰にも言いません!
だから安心してくださいっ!」



そう言うとペコッと頭を下げ
校舎の方へと走って行った。



『いいんです』って………

私がよくないんだってばぁ〜……



「あれは絶対勘違いしてるね。」


フッと笑いながら隣に立つ陽詩



「笑えない。最悪だよ……。
変な噂になったらどうしよう…。」



「誰にも言わないって言ってたし
大丈夫だって。それに……」



泣きそうになる私とは逆に
陽詩はなぜか嬉しそうで。



「『それに』?何?」



「俺は雪乃なら噂になっても
全然オッケー。
むしろ自分で広めたいくらいだし。」



「何それ…。意味わかんない。」



「意味…?知りたい?」



_
< 14 / 255 >

この作品をシェア

pagetop