Triangle‐狼達とうさぎの関係‐



本の落ちた方へ行くと
陽詩と一緒にいたのはやっぱり雪乃だった。



「幸永っ!お前絶対わざとだろ。」



「ちがうよ。手が滑っただけ。」



相変わらず嘘が下手すぎる
自分が恥ずかしい。



「はぁ〜?!
手が滑ってこんなうまいこと
何冊も落ちてくるわけねーだろ。」



「ほんとだって。」



1回言っちゃったからには
突き通すしかない。



「うそつけっ!」



「あんまり怒ってばっかだと
嫌われちゃうよ?」



陽詩に言うつもりだったのに
すぐ近くにいる雪乃が
自分を見ていたことに動揺して
目が離せなくなってしまっていた。



「ねぇ?」



焦りでこんなことを言ったことに
雪乃が答えてくれるはずもなくて。



すぐに後悔した。



何言ってんだろ俺………。



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