Triangle‐狼達とうさぎの関係‐



「…?うん。」



「じゃあ、ちょっとこっち見て?」



さっきの女の子が走って行った
方向を見ていた視線を
陽詩に移そうとしたとき
ある人と目が合った。



「あ…」



幸……



「おーい?どした?」



目の前で手をヒラヒラされて
我に帰り視線を陽詩に移す



「今、幸とね…」


"目が合ったの"


そう言おうとしたけど
視線を戻すと登校してきていた幸は
歩き出していた。



「幸永がどうかした?」



「う、ううん。なんでもない。
最近見かけることも少ないなぁって…。」



「まぁねぇ?特進クラスですから。」



「そうだね……。」



幸の特進クラスは私達とは
別の校舎にある。



「雪乃は淋しい?」



「淋しい…かな。
陽詩は何も思わない?」



「俺?俺は別に。
だって俺らもう高2だよ?
いくら昔仲良かったからって
ずっと仲良いなんて限らないでしょ。
高校も同じってだけで
十分凄いと思うけど?」



そう言われると
確かにそうなのかもしれない…



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