Triangle‐狼達とうさぎの関係‐



手を出そうとしておきながら
まだ雪乃を離したくなかった。



口実にしていた作業ができるように
ローテーブルに配られた画用紙などを
準備してみる。



「えーっと…、いいかな?」



どう声をかけていいのか
わからないままそう言ってみると



「あっ、うん。ごめんね?
なんかボーッとしちゃった…。」



力のない笑顔を見せてくる。



座っている隣を軽く叩くと
ちょこんと端の方に座った。



「そんな離れなくても…。
…って、俺のせいだね。ごめん。」



気まずそうに俯く雪乃。



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