Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
幸は中学で成績トップだった。
だから私達と同じ高校に進むって
ママから聞いたときはびっくりしたけど
そのぶん何かを期待してる自分もいて。
でもそんな淡い期待は
脆くも崩れ去った。
入学した頃から幸の隣には
いつも同じ女の子がいて
夏になる頃には2人は付き合ってて。
そのとき決めたの。
もうやめよう
今さら何かを期待しても
何かあるわけじゃないんだから
って。
幸には幸の世界があって
私はその世界には必要ないんだ
そんなことにも気付かないで
まだ関わろうとしてた。
『昔みたいに戻りたい』
『ずっと3人一緒じゃなかったの?』
そんなことを思うことしかできなくて
過去にすがり続けていた自分が
気持ち悪くさえ思えてきて
考えるのもやめた。
あの頃の3人も
笑いかけてくれる幸の笑顔も
「ずっと一緒にいるよ」
そう約束してくれた幸の言葉も
全部昔の話。
所詮は子供の約束。
あんな約束をいつまでも信じてる私は
きっと夢を見ていたかっただけ。
幸の本当の気持ちを
知ってしまったあの日から
逃げていたかっただけなんだ。
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