Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
嫉妬も何もなかった。
目の前のその光景が俺に突き付けたのは
現実だった。
雪乃を泣かせるのはやっぱり俺で
手を差し伸べるのはやっぱり陽詩で
身を引くべきなのもやっぱり俺だった。
昔と何一つ変わらないこの関係。
分かっていたはずなのに
美咲との話が終われば
これからは全力でぶつかろうなんて
張り切ってしまっていた自分が
恥ずかしくて馬鹿らしくて惨めで。
何を期待していたのかと
自分に問いたくなる。
_