Triangle‐狼達とうさぎの関係‐



嫉妬も何もなかった。



目の前のその光景が俺に突き付けたのは



現実だった。





雪乃を泣かせるのはやっぱり俺で

手を差し伸べるのはやっぱり陽詩で

身を引くべきなのもやっぱり俺だった。





昔と何一つ変わらないこの関係。




分かっていたはずなのに

美咲との話が終われば
これからは全力でぶつかろうなんて
張り切ってしまっていた自分が
恥ずかしくて馬鹿らしくて惨めで。



何を期待していたのかと
自分に問いたくなる。



_
< 174 / 255 >

この作品をシェア

pagetop