Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
「おい幸永!!」
一人だけ輪から外れてソファーで
静かにテレビを見ている幸が
ゆっくりと振り返る。
「なに?」
「べつに〜?」
眠たそうな、少し不機嫌そうにも見える
幸の表情を見ると
何かに満足したかのように鼻で笑って
再びお箸を取ろうとした。
「雪乃、こっちおいで?」
少し離れた所から聞こえた
その言葉に心臓がドキンと跳ねる。
「はぁ〜?何言ってんだよ。
行かないよなぁ〜?」
お箸を置き直して
また密着してくる陽詩の声が
耳元で聞こえているはずなのに
意識は幸の方へと集中している。
「え?えーっと…。」
幸の視線を感じてドキドキしているのを
周りから悟られないようにするのが
精一杯で、どうすればいいのかわからない。
「雪ちゃんったらモテモテねぇ〜♪」
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