Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
ドアを開けると廊下のライトが差し込んで
ベッドの中で眠る幸が照らされた。
暖かそうな布団の間から
力無く、ブランと肩辺りから外に
腕が出てしまっている。
部屋の電気をつけるわけにもいかず
廊下の明かりを残して
ベッドへ歩み寄りそっと手をとる。
冷たい……。
ほんの少し掛け布団を上げて
手を入れようとしたとき
さっさまで掴んでいたはずの幸の手が
私の手を握っていた。
え!?
握られたまま布団の中へ
連れ込まれて行く。
ち、ちょっと……!
残った手をベッドの端に着いて
幸の顔と同じ高さになるように
座ってみると手の温度とは逆に
暑そうにポワンと少し頬を赤くして
規則正しい呼吸を繰り返しているのがわかる。
可愛い………かも。
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