Triangle‐狼達とうさぎの関係‐



クラス替えをしてすぐ。

2年の4月の委員会。


まさか2人と同じ委員なんて
思ってもみなかった私は
委員会中もずっと上の空だった。


あれから半年以上が経つ。



2人のことは去年からずっと
知ってるはずなのに
幸の隣に女の子がいることには
まだ慣れなくて………


楽しそうな声が聞こえるたびに
私の胸は締め付けられた。





幸も陽詩と一緒で
昔から女の子にモテてた。



元気な陽詩とは対照的に
どちらかというと無口で
クールな印象で近寄りがたいからか、
幸と仲良くなろうとする子は少なくて
「見てるだけの皆の矢野滝幸永」が
暗黙の了解となっていた。



だからかな…?


幸に好きな子ができるなんて
考えたこともなかった。


何の根拠もないのに安心してたの。






「早川っ!後ろ後ろ!」


榎本くんが小声で後ろを指差す。



「後ろ?」


後ろが見えるように振り返ると


「ちょーっといいかな?」



不適に笑う陽詩が立っていた。



忘れてた!!



陽詩も同じ委員なんだよね…



っていうか

目が怒ってるような……。



なんで!?



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