Triangle‐狼達とうさぎの関係‐



そう言って出て行った。



『寝てて』って言われても…



どこで?



『家に戻ってて』ってことかな…。



すぐそこにあるベッド………。



………違うよね?



違う違う…。



自分に言い聞かせて帰ろうと
ドアノブを握って押しかけたとき…



ガチャ…――



「きゃっ………!!」



戻ってきた幸が同じタイミングで
ドアを開けたその勢いで
フラついていた私の体は
ドアノブを握ったまま
目の前に現れた幸に思いっきり
ぶつかってしまった。



「びっくりした……。」



頭のすぐ上から聞こえる幸の声に
私はビクッと反応する。



私が今いるのは幸の腕の中。



幸の心臓の音だって
聞こえちゃいそうなくらい
しっかりと抱き留められている。



_
< 223 / 255 >

この作品をシェア

pagetop