Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
そう言って出て行った。
『寝てて』って言われても…
どこで?
『家に戻ってて』ってことかな…。
すぐそこにあるベッド………。
………違うよね?
違う違う…。
自分に言い聞かせて帰ろうと
ドアノブを握って押しかけたとき…
ガチャ…――
「きゃっ………!!」
戻ってきた幸が同じタイミングで
ドアを開けたその勢いで
フラついていた私の体は
ドアノブを握ったまま
目の前に現れた幸に思いっきり
ぶつかってしまった。
「びっくりした……。」
頭のすぐ上から聞こえる幸の声に
私はビクッと反応する。
私が今いるのは幸の腕の中。
幸の心臓の音だって
聞こえちゃいそうなくらい
しっかりと抱き留められている。
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