Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
「ち、ちょっと待って!
やっぱり私帰ろうかな…。
パパとママも心配してるかも…。」
「それなんだけど、朝起きたら
母さんからメール入ってて…。
雪乃とうちの親、華永と陽菜連れて
初詣行ったみたいなんだよね…。」
ほら、と携帯の画面を見せる。
「だから今はまだここにいなよ?
一人でいるの心配だし。
…ってことで。」
再び目の前に差し出される体温計。
「でも……。」
「なに?」
さっさからこんな調子の私に
納得のいかないような表情。
「えと…。
今はちょっと…、熱いから…。」
上がった体温はまだ
下がりきっていない。
「熱下がってきてるのかな…。」
「…あ、うんうん!そうかも…っ!」
幸に迷惑かけられないし
なにより看病してもらうなんて
恥ずかしい。
一人は辛いけど帰った方がまだ…
あはは、と笑って
ごまかしたつもりだった。
「ほんとに…?
まあ、一応計ってみてよ。
薬も持ってきたんだしさ。」
「ぇえ!?大丈夫だよっ!」
思わぬ障害に
わかりやすく動揺してしまう。
「うん、大丈夫なんだよね?
だから計って見せて?」
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