Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
「あっけおめー♪♪」
勢いよく開いたドアから
陽詩が現れた。
「年明け早々乱暴すぎ。ドア壊れる…。」
幸は私に背を向けて陽詩と話す。
「大丈夫、大丈夫!
こんなのじゃ壊れないって。
…って、あれ?幸永どっか行くの?」
「ちょっとね。…あ、そうだ。
雪乃のとこも帰ってきてる?
熱あるみたいだから
連れて帰ってあげてほしいんだけど。」
マフラーを巻きながら
一瞬こっちを見るとすぐ陽詩に戻した。
「ぇえっ!?熱!?」
慌てたように近寄ってくると
何の迷いもなく慣れたように
私のおでこに手を当てる陽詩。
「大丈夫?」
「え、うん、大丈夫…。」
チラッと幸を見たけど
「じゃ、よろしく。」
目が合うどころか
背を向けたままそう言って出て行った。
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