Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
屋上へ出て少し進むと
少し前を歩いていた幸がフェンスに
もたれ掛かるようにこっちを向いた。
「ごめんね、急に。」
また少し笑う幸。
さっきと同じ表情の
その口から発される言葉に
私はびくびくしていた。
「う、ううん。全然。大丈夫…。」
「あの……、
こないだのことなんだけどさ……。」
………やっぱり。
「こないだって…?」
真剣な目をする幸が怖くて
分からないフリをした。
それなのに
「俺が雪乃に告白したこと。」
いとも簡単に口にされてしまう。
「…………。」
「あれ………、謝りたくて。」
気まずそうに少し俯くと
「突っ走っちゃった、っていうかさ…。
雪乃の返事聞いてないのに
俺の気持ちだけでいっちゃったっていうか…
とにかくごめん。………ほんとに。」
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