Triangle‐狼達とうさぎの関係‐



口を開いたのは幸。



「でも………。」


「いいから。呼ばれてるんでしょ?」


「え…?」


大事な話…してたよね…?

いいの?

それってどういう………


「あ、いいよ別に。
帰ってたってことにしとくから。」



榎本くんのその言葉に
内心ホッとしながら幸の反応を伺おうと
視線を向けるとこちらに近付いて来る。



「エモトくん。だよね?」


あ…れ?


「俺?そうだけど。」



気付けば幸は私を通り過ぎ、
帰りかけていた榎本くんを呼び止めていた。


「雪乃、連れてって?」


え?


「何か話の途中だったんじゃ…。」


言いながら榎本君は私を見る。


「いいの?早川は。」



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