Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
「…………。」
何て答えるべきなのか正直わからなかった。
幸が言うんだから
行くべきなのかとも思った。
だけど、幸が言うから怖かった。
ここで素直に離れちゃったら
幸との距離も離れちゃう気がして。
3度目はきっと、ない。
そんなことくらい私にもわかる。
スキ
このたった二文字すら言葉にできない
自分が歯痒くて立ち尽くしてしまう。
「雪乃。」
そんな私に痺れを切らしたのか
今度こそ本当に私の目の前まで
近付いて立ち止まった。
「待ってる。」
その言葉に視線を上げると
フッて優しく笑う幸。
「焦らなくていいから。
気持ち整理できたら教えて?
………なーんて、
さっきと言ってること矛盾してるけど。」
今度は少し困った顔。
「あ、あのー………?」
幸の向こうから聞こえた
控え目なその声でハッとした。
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