Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
小学生だったあの日
なんであんな日に限って
忘れ物をしたんだろう。
・・‥‥……――――――
・‥‥……――――
「あった♪」
宿題だったドリルを教室の机の中に
忘れたことを思い出して
みんなと別れて学校へ戻ってきた。
さっきまでみんながいた教室も
今はすごく静か。
残って運動場で遊んでいる声が
かすかに外から聞こえてくるくらい。
『小学6年生』表紙にそう書かれた
ドリルを入れたランドセルを
背負い直し、靴を履いていると
靴箱から5メートルくらい
向こうにある運動場倉庫に
サッカーボールを持って入っていく
幸が見えた。
最近、急にサチは冷たくなった。
あんな風に放課後遊んでるのに
私が誘った日はいつも
「今日は忙しいから無理」って。
話してても楽しそうにしてくれない。
でもね、ユキはそんなの嫌だから。
毎日頑張って話し掛けてる。
靴の紐を結び終え、倉庫を見ると
サチがちょうど出てきていた。
驚かせちゃおうかな♪
ゆっくり近づいていると
同じクラスの男の子達が
サチに集まってきた。
「サチト!知ってた!?
早川さんも、お前のこと
好きなんだってー!
モテモテだな〜!!」
え……?
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