Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
噂が本当だったからなのか
あの噂を俺が耳にしたことを
知ったからなのか
理由はわからないけど
あの日以来ユキは話し掛けて
こなくなった。
視線を感じる度、目を合わせるのに
その目はいつも悲しそうで。
本当はすぐに駆け寄りたかった。
でも弱虫なオレの頭には
ハルシが浮かぶ。
そんなユキの様子に
気付かないわけがないアイツは
俺が迷っている間に
いとも簡単に手を差し延べる。
「協力なんてしなきゃよかった。」
そう思ってしまった。
「こんなことになるならあの時……」
いくら後悔しても
時間は過ぎていくばかりで
理由はわからないけど
あの悲しい顔をさせてるのは多分俺で
その顔を笑顔にするのはいつもアイツ。
この関係は変わらなかった。
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