Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
「矢野滝。お前は損をしているぞ?」
放課後。
隣を歩きながら口を開くのは
中学1年のときから今の3年まで
ずっと同じクラスの渡辺。
「あはは。それ何回も聞いたよ?」
「そうだよ!言ったよ!
何回でも言ってやる!
お前は損してる!男として馬鹿だ!
それはもう全ての男を敵に回すくらいに!」
ビシッと人差し指を俺に向けた。
っていうか
そこまで言っちゃう?
「なんで?」
「ムキーッ!これだからお前は!
中学入って何人にコクられた?
数も数えられないくらいだろっ!」
「あはは。」
「何があははじゃーっ!!
お前それでも男か!?男なのか!?
実は俺のこと好きだったとか
死んでも言うなよ!?」
あー、怖い怖い
と身震いして見せる渡辺に
ちょっと仕返し♪
「なあ、渡辺。」
「なんだよ馬鹿男。」
馬鹿男って……。
「俺…実はさ………。」
真剣に渡辺の目を見る。
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