Triangle‐狼達とうさぎの関係‐


・・‥‥……――――――
・‥‥……――――



放課後の廊下に響くのは
自分の足音とドアの開閉音。



『全クラスに配っといて』と
委員顧問に渡された募金ポスターを
元谷さんを図書室で待たせながらも
真面目に配って回っている俺。



よく考えたら職員室で
各クラスの担任に渡しとけば
よかったんじゃ……?



「はぁ…。」



ため息をつきながらも
最後の教室のドアへ手をかけた時



「1回だけ。最後まではしないから……。」


中から聞こえてきたそのセリフに
一瞬固まってしまった。



「わかった…。1回だけ。
彼氏には絶対秘密だよ?」



え!?



「やった♪それじゃ遠慮なく…♪」



今!?


待て 待て 待て!!



別に何したって関係ないけど
今はちょっと待って!!



これ置かないと俺の仕事
終わらないからっ!!




ガラッ……――




勢いで…



思わず開けてしまった。



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