Triangle‐狼達とうさぎの関係‐



やば……。



1回開けてしまった以上
後戻りはできない。



せめて見ないでおこう、と
2人がいるのであろう左の顔の横に
左手で小さな壁を作り
見えないようにして教壇に向かう。



「えっ!?うそ、やだっ…!」



女の子の驚いた声が響いた。


まさか入ってくるなんて
思いもしなかったんだろう。



「ごめん。でも何も見てないから。」



「やだっ!矢野滝くんっ!?」



へ?

俺の知ってる子?



つい手を離して見てしまった。



「やっぱり!
っていうかこんな近くで見るの初めて!!
超かっこいい〜!!」



……知らない子。



「えー、俺は俺はー?」



その子の隣に居たのは



陽詩だった。



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