Triangle‐狼達とうさぎの関係‐


・・‥‥……――――――
・‥‥……――――



「やーのたーきくんっ♪」



「美咲……?
ごめん、ちょっと…離れて?」



「えー?やだぁっ。」



背中から抱き着かれていて
歩くに歩けない。



ここは廊下。



注目の的。




『いいよ。』と言ったあの日から
早いものでもう1年が経とうとしていた。



クラス替えがない俺ら特進。



つまり美咲とはまた同じクラス。



始めの内は元カレの姿が
あるときだけだったこの偽りの関係も
今ではほぼ日常化している。



「お願いだから。…ね?」



「えーっ、つまんないの。」



ぷぅっと頬を膨らませながら
やっと姿を見せた美咲。



背が高く、白くて華奢な体に
可愛いっていうよりは美人な
ハッキリとした顔立ち。



こんな子に抱き着かれたりなんかして
嬉しく思うのが普通なんだとしたら
俺は普通じゃないのかもしれない。



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