Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
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「やーのたーきくんっ♪」
「美咲……?
ごめん、ちょっと…離れて?」
「えー?やだぁっ。」
背中から抱き着かれていて
歩くに歩けない。
ここは廊下。
注目の的。
『いいよ。』と言ったあの日から
早いものでもう1年が経とうとしていた。
クラス替えがない俺ら特進。
つまり美咲とはまた同じクラス。
始めの内は元カレの姿が
あるときだけだったこの偽りの関係も
今ではほぼ日常化している。
「お願いだから。…ね?」
「えーっ、つまんないの。」
ぷぅっと頬を膨らませながら
やっと姿を見せた美咲。
背が高く、白くて華奢な体に
可愛いっていうよりは美人な
ハッキリとした顔立ち。
こんな子に抱き着かれたりなんかして
嬉しく思うのが普通なんだとしたら
俺は普通じゃないのかもしれない。
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