Triangle‐狼達とうさぎの関係‐



席に着き、どこ行こ〜?!と
はしゃぐ美咲の相手をしていると
図書室の扉が開いた。



「どこだ〜?」



入ってくるわけでもなく
誰かを探している様子の男が2人。



「茶髪ロングのパーマだっけ?」


「そうそう!まじで可愛いから!
あっ!いた!や〜、やっぱイイね!
マジかわいい!」



だれ探してんのかと思えば………

女の子目的?



「え〜?どこだよ?」


「あそこ。ほら、榎本の隣にいる…」


「榎本〜?わ!まじだ!超可愛いし!」


「どうせならああいう子と付き合いてー。
超大事にする!」


「はぁ?こないだナンパした女と
即効ヤッたくせに
よくそんなこと言えるな。」


「あー、アレね。あれはマジ失敗!
よく見たらあんま可愛くなくてさー、
やることやってすぐ帰ったし俺。」


「ギャハハ!まじサイテーだなお前!」



あー…、やだやだ。


そういうこと平気で言える奴の
気が知れない。


ま、こういう考え方しかできないから
彼女もできないのかもしれないけど
少なくとも俺は好きな子は大事にしたいし
好きな子じゃないとしたくないし
その子だけを見ていたいし
その子にも俺だけ見ててほしいし……


……って乙女か俺は。


自分で自分をツっこんでいると



「それに比べて早川さんは完璧っ!」



…い、今『早川』って言わなかった?



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