Triangle‐狼達とうさぎの関係‐
「可愛いし胸も…「おい。」
男の言葉を遮ったのは陽詩。
「そこ邪魔。どけよ。」
普段の陽詩では考えられないような
冷たい声と表情でそう言うと
出入り口を塞いで話していた2人の間を
通って入ってきた。
てか雪乃っ!
今のあいつらの話聞いてないよね!?
斜め後ろを見ると榎本と話す姿。
よかった…。
気付いてないみたい。
ホッとしていると
「雪乃〜っ♪」
いつもの調子でそう言って
陽詩は俺から雪乃を隠すようにして
立ち、話に加わっていた。
去年の意味深発言以来、
陽詩は俺を恋敵のように扱うことがある。
理由は……
考えながらも見てしまっていると
視線を感じたようでチラッとこっちを見て
ベーッと舌を出してきた。
全くわからない。
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