夜空の向こうへ
第一章
幼い二人
「駿くーんっ!」
君が早々と俺のそばへ駆け寄ってきて、
「はい、これプレゼント!」
ピンク色に染めた頬を下に向け、
俺の前へ差し出す小さい手。
「どこにプレゼントがあるの?」
だって君の小さな手しかなかったから、
俺はそう聞いたんだ。
「この中にあるんだよ、開けてみて!」
ピンク色の頬が赤く変わったかと思うと
また君は下を向いた。
「うん、じゃあ、開けるね」
俺はそういって君の何かを包んでいる
手を開いた。
「わ・・・・、指輪?」
あまりにも幼いときのプロポーズ。
君は今でも覚えてるのかな。
「駿君!おっきくなったら結婚して下さい!」
「はい、いいですよ!」
なんで・・・・・
なんで・・・・
俺はあんな約束なんてしてしまったのだろう・・・・・・・