夜空の向こうへ
ここの学校って四階まであるから、
教室が一階のあたしにはけっこーキツイ。
息を切らしながら、
「間に合う、間に合う。」とずっと心の中で
唱えながら快走に階段を下りていった。
「はぁはぁ・・・・・。やっと着いたぁ・・・・。」
『専門委員会』と書いてある札を見るなり
私は壁に寄りかかった。
「あら?矢口さん?」
「あっ!桜庭先輩っ!!」
彼女は桜庭 美都(さくらば みと)。
ここの学校にあるすべての委員会の会長を
勤める、いわば生徒会長みたいな人。
しかも性格もよくって、美人で、
頭も良いっ!!
しかも噂によれば、かなりのボンボンだそう・・・。
「どうかなさったのですか?
お部屋に入らないのですか?」
あたしを心配そうに上からみつめる。
ああ・・・・あたしあなたに恋しそうです・・・・。
「へ、平気でーすっ!!
ちょっと階段でつまずいてこけちゃっただけです!
もうこーんなに元気ですよっ!」っと、
いかにも元気ですよ感を出すために、
その場で足踏みをして笑顔で言う。