夜空の向こうへ


「そうですか?本当に大丈夫なんですか?」
  
 「は、はいっ!もう元気すぎて
  困っちゃいます~っ!!」
  あたしすっごい今うそついた。
  けっこー疲れて息もけっこーあがってんのに・・・
  しかも、足だって痛い・・・・。
 
 「そうですか、なら早く部屋に入りましょう。
  みなさんが待っておられると思います。」
  ・・・あなた様は私の心配よりも
  委員会の皆様の心配ですか、なんて
  甘い考えを抱きながらも
  タタターっと早々と部屋へ入っていった。

 「一年生のみなさんはこちらですわよ~っ」
  甲高い声で叫んでいる先生は
  峰 不二子(みね ふじこ)先生。
  やけに胸元の開いたスーツをいつも
  身にまとっている。
  今日も無駄に大きい胸をワサワサと
  左右に揺らして、男子の注目を浴びていた。
  
  峰先生に声をかけられそうになったので、
  あたしは早く早くと、
  あたしの前でつったっている人を払って、
 『一年生』と書かれた椅子に素早く着席した。
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