こたつでみかん
木枯らしが舞っている

ぴゅうぴゅうと

窓を揺らす 冷たい風


その窓が優しく煙る

あたたかい部屋で

彼とあたしとこたつとみかん


「じゃあ」と出かけるその前に

彼はあたしを引き寄せた

「答え、待ってるから」

照れくさそうにソウ言って

真っ赤なあたしを置いてくの

答えなんか決まってるのに


あたしは

不揃いなみかんを抱きしめた

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