豚恋

観覧車

最近サボっていた
オシャレに気合いを入れて
待ち合わせの駅に向かった。
彼は時間どうりに現れた。
『おはよう。待った?』
『待ってないよ。今日はさむいね』
たわいもない話をしながら二人で街にくりだした

こんなの初めて。
普通のカップルみたい。

『あっ。コーヒー買っていい?』
自販機をみつけた私を彼は引っ張った。『まって。もう少しいくと美味しいカフェがあるから。そこで飲もう?』
ニッコリ微笑む彼 『…うん』
『じゃ、いこう』 手をつなぎ
自然と歩く
これが普通の幸せ?

オシャレなカフェで暖かいコーヒーを飲んだ

ホッとする優しい時間
目の前で微笑む彼は暖かく愛しい。


カフェを出て夜の観覧車に乗った。

夜景が綺麗で
キラキラと輝いていた
いつの間にかあたしの心にも
暖かく優しい光が灯った

『キスしようか?』彼の言葉にあたしは照れ笑いした

観覧車が頂上にさしかかる頃
二人の唇はそっと触れ合った


あたしの瞳から一粒の涙がこぼれ落ちる

悲しかった訳じゃない。
たった今
昔の恋が終わった事をあたしに知らせる涙だったんだ。
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