SでもMでも
声は正貴の部屋から聞こえてくる。
気づかれないように隙間から覗いてみると
中にはやはり、美央が居た。
手には正貴の漫画本が。
俺まだ読んでないのに・・
勝手に私物を持ち出されるのはいつもの事
だが腹が立つ。
お年玉を貯めて購入した時計は勝手に
共有化されているし
集めているCD、ゲームは自分が使う前に
使われてしまった。
許せん・・
あの悪魔のような姉を懲らしめるには
どうしたらいいものか。
ムカムカして、過去の痛かった思い出を
思い出していると、二人から目を離して
しまった。
今は昔の事はどうでもいいのだ。
仕返しは後で考えよう。
ただでさえ、伸はボソボソと話すので
声が遠いと益々聞こえずらい。
身を乗り出して中の様子を窺うと、
二人が見えなくなっていた。
どこだ?
二人を探そうと、再び身を乗り出した時
正貴は、驚きのあまり声をあげそうに
なった。
伸が、正貴のベッドの上で
美央を押し倒し?ていたのである。
「えええええ」
目を離した数分間の内に何が!?
「賭け、してくれるよね?」
伸が口を開いた。
「約束してくれないなら、今、しちゃうけど
いいの?」