SでもMでも


 うおぉぉぉぉ・・・


 想像つかねえ。
 っつーか、想像したくねえ。
 キモイって!



 自分の姉と友達がどうこうなんて。
 背筋がむずがゆい。


 
 部屋の中の2人は、何やら決着?が
 ついたようで美央が逃げるように
 ドアに向かってきた。
 

 見つかったらひどい目に遭わされそう
 な気がして、急いで洗面所に隠れる。
 しかし慌てていたので、トレイを
 ドア付近に放っておいてしまっていた。

 
 「やべえ・・」
  
 案の定、美央はトレイにつまずき
 お茶を盛大にこぼし、靴下を
 ビチャビチャにして走り去っていった。

 

 普段だったらギャーギャー言ってる
 ところだよな・・


 
 部屋に残された伸は、前のめりになって
 うずくまっていた。
 どうやら急所を蹴られたようだ。


 
 部屋に入れねえ・・


 
 正貴が途方に暮れていると、洗面所から
 微かにブブブ・・という振動が聞こえて
 きた。
 

 携帯を置いてきてしまったのだ。


 「千代美だ」
 明日の待ち合わせの件で電話がきていた
 らしい。
 
 
 そうだ。決めなくては。
 
 
 明日は楽しいデートだというのに、違う事で
 いっぱいになっている正貴は、
 その後1時間、伸の快復を見届けるまで
 部屋に戻れなかったのであった。


 
 

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