恋雫
◆*。さよならの友達
11月26日。
段々と寒さを増す中、
いつものように学校へ向かう。
足が寒いけど、スカートの丈を長く伸ばすのは、
なんとなく気が引けた。
「…寒っ…」
私の家の方向には、
女子の友達の家がなくて、
いつも一人で登校している。
でも、その分、学校に行けば、
皆の温かな笑顔が私を迎え入れて、
皆の輪の中に入れてくれる。
早く、学校に行きたいな。
そう思えた学校は、
今まで引っ越しを繰り返した中でも、
めったにない感情だった。
「…♪」
顔の筋肉がゆるんでしまう。
多分、こういうのを幸せって言うんだろう。
今年は幸せな年だなぁ…★
そんなことを考えながら
二ヤついていると、
耳の方に、なにやら生温かい空気がかかってきた。
「ひぁっ!!」
驚きのあまり、変に声を上げてしまった。
それを後ろで、喜んでいる奴がいるとも知らずに…。
「へぇ~、耳攻められるの苦手なんだ…」