恋雫
★*。ドロップ
1-1の教室の前に着き、私は廊下で待つことに…。
廊下から、静かな教室に響く終夜の優しい声が、
私の心を揺らしている。
「で、今日は俺と同じに、転校してきた生徒がいます。入って」
終夜の声が聞こえて、私はドアを開ける。
"ガラッ…"
教室にいる生徒全員の視線が、
私に集まる。
でも、こういうのも慣れっこだった。
終夜が、私の名前を黒板に書く。
書き終えると、教卓の角に手を置く終夜。
「親の都合で、北海道から引っ越してきた相川 雫さんです」
「よろしくおねがいします」
「皆、仲良くしてあげてください」
女子は、私より終夜に視線を送っている。
さすが、ファンクラブまで出来る人気者。
だけど、それがどうしても心に傷を作っていく。