恋雫
「じゃあ、雫はあの窓側の席に座れ」
「はい」
敬語なのは、お芝居。
いつも、タメ語だもん。
だけど、"学校ではあまり深い関係であることを見せない。"
それが、私と終夜の約束。
席に座って、バックを机の横に欠ける。
私の席の近くの子が、喋りかけてくる。
よかった。
皆、優しい人たちで…。
皆と楽しく喋っているときだった。
"グィッ…!"
突然、後ろから髪の毛を引っ張られる。
「ドーロップ」
後ろから、かったるい声が聞こえる。
振り向くと、風にショートヘアーの髪を揺らしながら、
爽やかに無邪気に笑う男の子がいた。
「……?」
「ドロップ♪」
私の髪を、まだ掴んだままクンッ…!と引っ張るその子。
「…ドロップ?」
「おお。だって、雫って、英語にしたらドロップだろ?」
あぁ…だから、ドロップ。
なるほどぉ…。
「…って、私ドロップじゃない!雫!!しかも、痛い」
「へへっ、面白ェ…」